2004年07月29日

7がつ29にち

 昨夜半から昼、雨。
 ただでさえ波飛沫の恐怖にさらされているというのに。
 堪ったものじゃないと、流石に船室に引きこもる。
 沈んだときのためにリンゴ樽を拝借して。

 船室で頂いたノルディック土産を食べる。
 逃げられては困るので、加熱処理。
 顔があろうとなかろうと
 喋ろうと喋るまいと
 可愛かろうが可愛くなかろうが
 食えるものは食ってしまう俺は、やはり闇育ちなのだなと思った。
 己の身体でさえ食うかもしれない。その必要は無いのだけれど。


 身体の奥底で、何かの衝動。
 正体は判っている。
 まだ 抑え込んでいられる。
 せめて夏が終わるまでは。

 欠片を目の前に小さく嗤う。

「莫迦莫迦しい。
 ―女でもあるまいに…」

 船室の窓から見た朧月。
 墨色の雲にぼやけたそれが、無性に愛おしかった。

note.
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2004年07月28日

7がつ28にち

 未明には発つ予定だったものを、半日ばかり延期する。
 人だかりに敏感なのも、また…

 …少しずつ
 人と話す感覚を取り戻してきたようだ。
 魔島にいた頃の調子には程遠いが。

 そろそろ持ちネタを増やすべきかな。
 この際、開き直って「奇声と二つ名の火種」で通るのも面白いかもしれない。
 増やすとしたら…ああ、料理がある。どう捻ってくれようか。

 日中。
 忙しなく筆を走らせる輩を、モノクロォムの視界で見やる。
 …なんで、誰も突っ込まないのだろう。
 えらく口調が変わっていることに。

 そんなもんなのだろうか。

 白い子猫の相手をしたり、可愛いお嬢さんとつまみの争奪戦をしかけた、り…?
 当初の印象が払拭されたわけではないが…面白い国だな、ここは。
 やはり些少滞在せねばわからない、か。

 夜。
 先に発つ朋を見送り、カードを構えて暫し待ち。
 何故かネギをもらった。
 未来を占い、久々に叫んで……挨拶をして出る。
 楽しかった、と、素直に思えた。


 次は…ああ、あの国か。
 愉快な友人が居るが…
 驚かせたいから来訪予定は黙っておこう。

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2004年07月27日

7がつ27にち

 旅の荷も解かぬまま、うっかり見上げた真昼の空。
 幸い太陽を目に映すことはなかったが
 見渡す限りの眩い灰の色に
 ぐらり と 視界が歪んだ。

 咄嗟に閉じた瞼の内側に ちらちらと
 満天の星空よりも尚細かい 銀色の粒子が舞い

 逃れるように
 黒衣に包まって密かに溜息を吐き 夜を待つ。

 腕伸ばし月琴を引き寄せ 詠うは
 遠い世界の昔詩

 せめて音だけは絶やすまい。


届かぬ世界に 文字辿る
風に夢見た詩人よ
万華と見ゆる 歌紡ぎ
緑潤す 彩を為せ

描いた言の葉 封じ込め
硝子の器で蓋をする
壊れぬように 触れ得ぬように
美のみを映す 鏡たれ

硝子の蝶よ 願わくば
穢れた塵世に華咲かせ
灰に染まったこの場所に
彩り添える 華となれ....


 …そろそろ、出立かな。

note.
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2004年07月26日

7がつ26にち

 ノルディック。

 一見、それなりに活発に見える、が。
 何故か世界から隔離された印象を感じた。
 この「ネバーランド」という世界から。

 都会の雰囲気。…冷たい感覚。
 ああ、やはり
 俺はこの国が苦手なのだな。


 黒は熱を吸収するのだ、と
 思い出したのは日が暮れてからで
 俺自身の身体は 熱に弱くはないが
 真昼などは触れるのを躊躇うほどだったのではないか、と
 思う。
 勿論俺自身の熱も手伝って。

 …そりゃぁ、人も来ぬわ。
 今夜中に日陰に移動しよう。


 夜半。
 ふらりと街を廻る。
 酒場がどちらとも無期限休業中なのを知った。
 ……酒蔵も未だ準備中だし構うまいが…
 残念だ。


 受け取ったぬいぐるみ目の前に、腰下ろして酒。
 押しつけるように渡してくれたその姿思いだして
 …こそりと、含み笑い。

 いや、何でもないよ。

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2004年07月25日

7がつ25にち

 起き抜けの気怠い身体で国を眺める。
 酒場は…あるらしい。国家紹介も。
 見覚えのある顔を幾つか目にし…
 ほんの少しの、居心地の悪さを感じた。

 それは直感にも似て

 …それではいけない、と。
 小さく頭を振る。
 昔、言われた事があるではないか。

「何でもお一人で考えて結論を出して仕舞うのは、悪い癖だ」と

 ………。

 幾つか、名所があるようだから。
 気楽に回ってみるのも、良いかもしれない。
 時間の 許す限り。

 …出立は…27日、だろうか…?



 見上げた先に 幻想的な朧月
 秋に似た風に髪靡かせ
 掻き上げたその貌に 刹那見惚れ かけ

 それどころじゃないだろう、と。

 ……
 王宮は、どこなんだ。

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2004年07月24日

7がつ24にち

 紡ぎ出した言葉は 酔いに惑わされて
 意味を為さずに流れ落ちる

 ぼんやり と 見上げた紅色月
 淡く紅いそれは 遠く

 手を伸し触れたその先
 怪訝そうに問う人に
 甘く笑って

 …そういう気分なんだ、と

 紗のかかる意識の中
 夜明け前の一時 身を委ねる。


 昼。
 ぼんやり、と起きだして 城門をくぐる。
 適当な木陰を見つけて、夜まで一休み。

 日が暮れて、夜。
 遅れて入国した輩に、片手上げて挨拶。
 木陰に腰下ろしたまま 静寂に沈む。

 慣れぬ旅の疲れが出たのだ、と
 心中で言い訳して 身体を休める。
 今宵はこのまま 眠りに任せてしまおうか。

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2004年07月23日

7がつ23にち

 酔って 水面の月を取ろうと手を伸ばし
 そのまま溺れて帰らぬ人となった詩仙がいる らしい

 …船上では飲むまいと心に決めた。

 ・
 ・

 夕暮れ、陸へ着く。
 揺れない濡れてない地面に立って、安堵の溜息 一つ。
 そしてふと思う。

 ……この国を出るときも確か、船に乗るのだよな…


 …考えないことにしよう。

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