2008年10月25日

酒と火炎瓶〔幻火〕

 ぷにっとしてぽこぺんされる奴らが瓶詰めにされたらしい。

 いや、らしい、というか
 悪乗りして案の一つどころでなしにぽこぽこ叩き出していたのも俺のようなものゆえ
 ある種共犯的な匂いが、無いでもないのだが

 そんな酒の仕込み主より、久方ぶりにと届けられた、一つの酒。

 古びたようにも見えるその瓶には、掠れた文字の残るラベル。

 辛うじて読み取れる文字から
 この酒が数日前、ふらりと出た先で見掛けた其れと同じものだと判った。

 訪れた時には既に売切の札が掛けられて居て
 見覚えの無いその名に、一体どんな酒なのだろうと
 半ば心躍らせ、半ば入手を諦めていたというのに。

 まさか、こんな形で手に入るとはな。


 嬉々として礼に返すが、瓶の仕上げにさんざ難儀した己の店の酒。
 受け取って後、燗にしても良さそうだと笑う姿が頼もしい。
 俺と同族である伴侶――なんだろう、多分――と
 それから俺と同じく酒好きなお嬢さ…姐さん?と愉しんでくれればと、思う。


 しかし…炎の歌と冠した、この酒。
 某所にて「火炎瓶」なぞと呼ばれて居るを耳にして
 改めてみればソノトオリだと頷くしかない仕上がりではあるが
 …何、構うまい。
 俺は結構気に入っているのだ。

 瓶が仕上がるまでの苦労も含めて、な。


 折角だし、苦労話風に瓶の変遷でも残しておこうか。
 題して、火炎瓶の出来上がる迄、だ。

 …何ンだ其れは。



 最初に出来上がったが、こいつだ。
 初期型
 気に入らなくて直ぐに取り下げ

 巧く行かずに腐って居ったらば、アフロが見かねて出してくれたのが、こいつ。
 第二版
 作ってくれた事に感謝しつつも、違うんだそうじゃないんだ!…と

 アフロが作ったもんをどうにかしようとして出来たのが…これ。
 三つ目
 もっと気に入らなくて、店に並びもせんかった。

 いや違うんだ長細い瓶にしたい、だの
 円柱じゃなくて円錐型というか凧型が良い、だの
 どうせなら初号瓶のように焔らしい彫刻も付けて欲しい、だの
 瓶は黒硝子にしてくれ、だのと
 非情にも遠慮無く鬼のように駄目出しを重ね


 失敗作を踏まえて、漸く出来たのが現在の瓶。


 しかし…まさかそれが、ああも火炎瓶っぽくなるとはなぁ。

 …ま、良いか。
 これぞ焔の酒。
 俺が好む酒、なのだから。






note.

 一応画像載っけについては許可貰い済み、と添。
 …自分で作ったのもあるしな…
posted by アシアン at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 幻火:戯れ事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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