2008年10月28日

寝ても覚めても〔幻火〕

 「酒呑んで眠りたい」なぞと呟いた所為なのか
 気付けば自宅の部屋が酒で溢れかえって居る。

 日頃は抜きもせぬ得物と、長雨の時期に必須の傘と
 最近は調弦もして居らぬ月琴の置き場は、辛うじて確保したものの

 玲瓏凛列たるお嬢さんの店で購入して、ちびちびと味わって居る幻の蒸留酒と、上品な味わいの葡萄酒が一つずつ
 ぷにっとしてぽこぺんされる奴らの酒の仕込み元より、不思議な味わいの…やはり蒸留酒(多分)が一つ
 どうせなればと酒蔵より取り出した果実酒が一つ
 手には俺が愛しき伴侶と酌み交わす酒杯

 そして、今夜になって倭装のお嬢さんよりぷにっとしてぽこっとされる酒…の倭酒の方が届けられ。


 飲んだくれるにはこれ以上ない環境。
 つまみは無論、先日置き去りにされたスルメを炙って頂く。
 いや、有り難いものだな。

 付き合うてくれる人が居ることも含めて、ね。

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2008年10月26日

もういっそスルメの使者で良いと思った〔幻火〕

 奇声と共に…ではなく、
 カァドと共に宝珠の幾つかを置き去りにしたのが、先日の話。

 カァドに残した気配かそれとも純粋に宛名を辿ってか
 明るい紺色の髪したひとが訪ねてきたのも、
 やはり先日の話。

 以前とは自宅の場所も雰囲気も違うて居るが
 それでも感慨深げに見回す姿。
 感覚も匂いも忘れていたが――と
 ほろり口から零れる声も言葉は相変わらずで
 ほんの少し、変わったようにも見えて

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2008年10月25日

酒と火炎瓶〔幻火〕

 ぷにっとしてぽこぺんされる奴らが瓶詰めにされたらしい。

 いや、らしい、というか
 悪乗りして案の一つどころでなしにぽこぽこ叩き出していたのも俺のようなものゆえ
 ある種共犯的な匂いが、無いでもないのだが

 そんな酒の仕込み主より、久方ぶりにと届けられた、一つの酒。

 古びたようにも見えるその瓶には、掠れた文字の残るラベル。

 辛うじて読み取れる文字から
 この酒が数日前、ふらりと出た先で見掛けた其れと同じものだと判った。

 訪れた時には既に売切の札が掛けられて居て
 見覚えの無いその名に、一体どんな酒なのだろうと
 半ば心躍らせ、半ば入手を諦めていたというのに。

 まさか、こんな形で手に入るとはな。


 嬉々として礼に返すが、瓶の仕上げにさんざ難儀した己の店の酒。
 受け取って後、燗にしても良さそうだと笑う姿が頼もしい。
 俺と同族である伴侶――なんだろう、多分――と
 それから俺と同じく酒好きなお嬢さ…姐さん?と愉しんでくれればと、思う。


しかしこの酒
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2008年10月24日

枯れぬ華、手折らず〔幻火〕

 青い風――と書くと何やら青春のような響きだが――の便りにて
 知るのが旧友一人の帰還。

 そう言えば何時去ったかも知らぬ儘で居た気がする。
 ひとまずの手土産を持って半裸に問うはスルメ…いや旧友の在処。

 奇声――いやいや寄生していると返る応えに何ンだそりゃと思いつつ
 訪れた先は相も変わらずの二人住まいで。
 そう言えばこの家の主も存外に存命していたのだなと思い出す。

 おかえり、の挨拶をしようとして

 戸を叩きこうと持ち上げた手が、止まった。
 どう声を掛けたものか。

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2008年10月23日

逍遙の夕〔幻火〕

 ぼんやりと過ごして居るうちに
 新酒の瓶が火炎瓶とか呼ばれたり
 金色猫が誕生日だったり
 気付けば冥界騒ぎが起こっていたり、と

 相変わらず世間様は騒がしく楽しげだ。

 大分に傍観者めいて来たと、己を嗤う。
 …ま、日々平穏であろうと思えば、こう在るが今の最良か。



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2008年10月17日

白は緑に〔幻火〕

 大分前にべねたんから貰った、白い竜の子供。
 竜の寿命は長いゆえ、成長するのも遅いだろうと踏んでいて
 案の定ゆったりとした成長ではあったのだが
 だんだんと重さも大きさも増して来たゆえ、別に小屋を造ってやることにした。

 成長に伴って些か、色が変わって来たのが不思議なところ。
 とはいえ、伝承にある五龍だか六竜だかのよな大層なものでなし
 平均的に有るが良いのだろう。

 以後は餌代も別途掛けてやらねばな…
 固定収入の無い身なれば、些か厄介な気がしないでもない。
 …ま、連れ合いの飼うて居る猫やらを喰わねば良かろう。

 騎龍に、とも一瞬思ったが
 躾けるのが面倒ゆえ、育つに任せておくことにする。
 文の遣り取り手伝いくらいは出来ても、良いかもしれないが。な。


 例によって平穏無事な日常。
 …俺と連れの不調も、のんびり癒して行けばいい。

note.
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2008年10月16日

10月の終わりのアレ〔幻火〕

 気付けば作成日が数年前になっている、100個のアレをアレした場所を密かに別の場所へ移し替えておいた。
 いい加減下火になって居るゆえ、最早誰も気付くまい。


 相変わらず表だった活動はせず
 だからといって裏で動いているわけでもなく
 つまるところは何をするわけでもなく、
 ただひたすらにぼんやりと過ごす日が続いている。

 先日酒瓶の依頼看板を出す際に訪れた絵師の集い間では
 10月末のハロウィンに乗じてか、その手の話が飛び交って居て
 見れば知人友人の姿もちらほらとあったが
 楽しげなところ邪魔するのもどうかと、遠目に眺めたのみ。


 そう言えば今年はハロウィン会場の設置を頼まれて居ないが
 多分に敢えて潰すような暇も無いのだろう …と予想。

 仮装する気も無ければ悪戯をするつもりもないが
 せめてそれらしい料理くらいは作ろうか。

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posted by アシアン at 16:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 幻火:戯れ事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年10月09日

酒と配達屋〔幻火〕

 炎の新酒の瓶は、結局見るに見かねたらしき某アフロが
 俺の失敗作を持っていって綺麗に仕上げてくれた。
 看板への反応はさっぱりだったが…
 奴風に云うなら、結果AllRight、ということなんだろう。

 とまれ、有り難く使わせて頂こう。
 早速買うて行ってくれるお人等に、知った顔が幾つも。
 正直まともな収入がコレしか無いゆえ値引きはしないが
 こちらも有り難いことだ。
 強い酒だが、楽しんで貰えればいい。


 しかし毎度思うのは
 自分トコの酒を自分で飲めぬというのは何故なのかと…
 まぁ、売り物ゆえ仕方が無いと言われればそれまでだが
 人に贈れぬというが不便は不便よな。

 配達屋なぞあればそれなりに需要がある気がするのだが
 自分とこの商品を手に入れる際は、皆友人知人なぞに頼むのだろうかな。

 暇と届けに行く足があれば始めてみようと思いつつ
 以前配達屋らしきものがあったような気もしつつ
 踏み出せぬまま恨めしく自店の棚を眺めて居る。


 とりあえず…連れを寝かし付けたら
 ハロウィンとやらの菓子でも探しに行くかね。
 …はて、連れは甘味、大丈夫だったか…?

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posted by アシアン at 14:31| Comment(0) | TrackBack(0) | 幻火:戯れ事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年10月01日

酒瓶〔幻火〕

 のたりのたりと仕込みをしていた炎の酒。
 仕込みは済んだなれど入れる瓶が無く
 結局(案の定)某アフロにも「難しい」と云われてしまったので
 仕方なく自分で硝子を練る。
 練るには練るが、矢張り巧いことは出来ず
 とりあえず一瓶のみ、その場凌ぎとして棚に置いた。

 一応依頼の看板は掛けて来たが
 暫く待っても来ないようであれば
 今の瓶をどうにか綺麗に仕立て上げなければなるまい。

 俺に造形力は無いというに
 困ったものだ。


 …ま、どうにかなるかね。


 そんな作業の合間に金色猫から棒ッ切れらしきものが飛んできた。
 が
 硝子細工なぞしておったゆえ、頭の方が巧く切り替わらん。

 金色猫にはちょいと悪いが、アレはまた後日に回させて貰おう。


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posted by アシアン at 13:15| Comment(6) | TrackBack(0) | 幻火:戯れ事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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