2006年01月30日

1がつ30にち

 焔はヒトの姿を模した
 己の姿をヒトに模した

 初めて目にした黒い人影
 その姿を模して 己の意志を形にした

 ただ その色だけは
 紅蓮の内にあってただ一つ
 侵しも 侵されもしなかった漆黒だけは

 己のものにすることが出来なかった


 長い筈の髪は己の焔に逆立ち 消えて

 初めて姿為して 目を合わせ
 珍しい眼の色だと そう告げられた言葉に
 眸の色も黒ではなく 焔のそれだと知った


 感じたのは おそらく落胆
 それと知らぬままに




note.
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2006年01月27日

1がつ27にち

 遠く 南の地より
 見送るのは薄紅の桜

 その腕に抱かれた一枝は
 きっと散ることは無いだろう

 出会ったあの時のように
 今夜もまた 月の無い夜

 微かな名残を見せる 細い細い月は
 昼の合間に沈んで久しい


 想い出は狂い咲いた桜と共に

 熱を帯びた桜は散ることはなく

 桜は永久に貴方の腕の中にある



 頬を伝う黒い雫 一筋

 感謝と
 そして別れを

 俺がかつて 愛したかもしれないひと

 その魂に安らぎあれ
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2006年01月26日

1がつ26にち

 残り数日だろうかと、北の空を眺める。

 未だ絶える気配のない存在は
 相変わらず不安定に揺らめいて

  ――この世の名残 夜も名残……

 昔聞いた詩の端を 小さく口ずさむ


 忘れずに居てくれた
 下僕にしか過ぎぬ俺を

 そう仕向けたのが俺だとしても 貴方は



 告げずに終わった言葉
 伝える言葉も知らずに終わった
 抱いた思いの残滓

 擦れ違い続けた道の果て
 最早触れ得ぬほど遠く離れて

 今でも変わらず幸を願う
 安らぎと幸を

 …貴方に
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2006年01月25日

1がつ25にち

 思うんだけどな。

 自己紹介とかで、自分の事を「格好良い」だとか
 「端正」だとか「美人」だとか「可愛い」とか「誰からも好かれる」とか
 そう言うのはどうなんだろう、と。

 多分、それは多くの場合
 周囲に居るものたちが判断することで
 自称するということは
  つまるところ自称でしか無いわけなんだが
 …ということは、相当の自信があるんだろうな。

 面白い、な。
 うん。面白い。


 ある程度絶対的なルールというものを規定すべき神という存在が
 その任を半ば放棄したがゆえの結果、なんだろうな。

 こんな言い方は好きじゃないが
 人それぞれ、だ。

 何にしても。



note.
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2006年01月23日

1がつ23にち

 雪の匂いに混じって 懐かしい香りがする
 それは俺の気のせいかもしれないけれど

 何処とも知れぬ大地の奥深く
 紅蓮に滾る炎の匂い
 見渡すほどに一面の赤

 佇む一つの影
 それだけが 痛いほどに黒かった


 赤と 黒と
 それが 俺の目にした最初の色

 焔は黒を模して
 ヒトの形を為した


 それが俺のはじまり



note.
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2006年01月21日

1がつ21にち

 夢のはじまり

 それは過去を清算する為の
 いつ終わるとも知れぬ 長い夢


 生まれたかつてと
 生き方を得た時間

 黒に囚われた
 長い …

 …とても長かった時間


 閉じた瞼の裏側に
 眠りに落ち込む意識の底に
 俺は黒の幻影を見る

 今一度

 問うために
 別れを告げるために



note.
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2006年01月20日

1がつ20にち

 腐った魚を食べるのは
 …まぁ、カモメくらいだが

 腐った世界でないと生きられない
 そんな輩も居るのだろう

 程良く腐った大地の上に根を下ろし
 安穏と怠惰を貪る

 骨も神経も腐って果てて
 グズグズと崩れて柔くなった餌でなければ
 どうやら奴ら 歯が立たないらしい


 ――尤も
 俺はこの世界全体が腐ってるとは思わないが、な

 批判し 悲観するのは容易い
 愛想を尽かすのも 等しく


 在り続けたいと思う理由がある
 共に過ごしたいと思う存在がある

 それなら
 それだけで充分生きられると思う


 続くも絶えるも 己の在り方ひとつ
 国や世界など 本当はどうでもいい
 朋輩一人…いや、二人
 彼らが居れば 俺はそれでいい
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2006年01月18日

1がつ18にち

 己から動くことが無ければ
 紡げる言の葉も自ずと減る

 月の見えぬ曇り空
 月琴を片手にひとりごちる


 栖の周りは相変わらずの氷壁
 吹き抜ける風に 朋輩たちが凍えていやしないかと
 ほんの少し、心配になったけれど。


 空見上げたまま
 ほろほろと 零すように
 幾度も弦に指先を滑らせた

 言霊は無く
 ただ 音のみが夜空に消える


 路は見えない
 未来さえも

 見つけるところから始めよう
 共にある為に

 在り続けるために。
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2006年01月17日

1がつ17にち

 ゆめうつつ 微睡みの内
 記憶に紛れた面影 微かに笑う

 諦めたように
 悲しげに
 それでもどこか 安堵したように
 眼差しは静かに 幸を問うようで

 思い出せぬ面影の 黒い色だけが
 最後に笑って 遠く消えた


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2006年01月16日

1がつ16にち

 拭いきれぬ己の罪科を思う
 隠しきれぬ己の弱さと共に

 俺自身 俺だけの我が儘で
 二人傷付け 振り回して

 悪循環に気付きながらも

 どうすれば終わりに出来るのか
 分からずに 流され続けて


 腕の中にある存在と
 今は触れ得ぬ もう一つと

 二つを望むのは俺一人
  一人だけ だから…


 …なぁ
 ひとはどちらが辛いのだろう
 ひとはどちらが幸せなのだろう

 その心を占有出来なくとも
  常にその胸に面影を抱かれること
 その眸に映る ただその一時のみ
  その胸に己の面影を満たすこと

 一体 どちらが…



note.
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2006年01月15日

1がつ15にち

 深夜 寝付けずに
 気紛れに顔を出した 週一の会合

 三月ぶりに顔を合わせる人たちは相変わらずで
 忘れられて居ないどころか 親しげに言葉交わしてくれるのも
 また 相変わらずで

 良い場所だと 改めて思う

 この国に限らず…
 俺が何処かを「故郷」と呼ぶことは
 もう二度と無いだろうけれど。


 己一人なら 幾らでも再訪の機会はあるだろうが
 朋輩一人残して動いたところで 世界に色は無く

 再訪の約束を曖昧に濁して その場を辞した


 この国の為 というよりは
 このひとたちの為に動けるなら 楽しいだろうと思う

 けれど おそらく

 それは願っても叶わぬ夢
 或いは

 かつて通り過ぎた場所で 別の選択をしていたら
 今現在 過ごしていたかもしれない時間


 現は偶然の繰り返し
 けれど 通り過ぎた刹那から
 偶然は必然に変わる

 やがて辿り着くのは

 …果たして 望んだ未来なのだろうか
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2006年01月14日

1がつ14にち

 まさか 覚えているのだろうか
 遠い昔に告げたあの言葉

 己の欲するもの
  求めるものから ひとに与えるのだと

 そう言った俺の言葉を 眠る貴方は…


 契約種の盟約を以て 望みを引き出すことは容易い
 けれど 人の心を察することは
 俺には あまりにも難しくて


 隻眼で金色の眸覗き込み小さく笑う


 …きっと
 その仮面 溶かすことは
 今も出来ないのだろうな


 ――今だからこそ かもしれないが…
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2006年01月13日

1がつ13にち

 「かつて」を断ち切ろうと
 面影の残る品はすべて処分した

 炎に投じ 或いは野に帰し
 すべて消し去ったつもりだった


 けれど また 時を過ごして
 いつしか己の周囲に添う
 関わったひとたちの面影に気付く

 名残の宿る品々 ひとつひとつ
 手を触れ思い馳せながら
 断ち切ろうとして断ち切れぬ 縁と絆


 今 またひとつ
 面影を負う

 きっと忘れ得ぬと……
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2006年01月12日

1がつ12にち

 再び灯し得た 虚ろの眸の色を
 知り得るのは

 かつて金色を宿した隻眼の
 今灯す色彩を知るものは

 ただ 二人
 双つの魂のみ


 人の目に晒すことのないようにと
 再びその眼を覆い隠して

 何食わぬ顔で 現へ戻る
 俺を知るは 傍らの存在だけでいい



note.
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2006年01月11日

1がつ11にち

 恋でも愛でもないのだろう
 それが何であるか 俺には解らないが

 二度と会うことはないと、そう告げながらも
 覚えている限りはと 月の影を贈った

 おそらくはその時既に
 胸の内に悔恨が存在したのだろう
 それと気付くことはなく

 だからこそ貴方に遺した
 貴方を狂わせる月を


 「今更」と 我と我が身を嘲う
 かつての主従

 触れたところで最早 融け合うこともなく
 肌一枚隔てて伝う 熱と存在を
 その所以も知らず 静かに求める


 最後の一時
 伝えるべき言葉も 見つからぬままに
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2006年01月10日

1がつ10にち

 己が狼狽と困惑とを、己で嗤う。

 在りもせぬ可能性に怯えて
 おたおたと狼狽えていたは俺一人

 その所以など 伝わることはなく
 また伝わる必要もない。


 脱力したように笑って、
 へたりこんで 吐息一つ。

 そうして漸く、冗談の一つも言えるほどになる。


 多分、このひとは知らぬのだろう。

 己が一挙一投足、言葉の隅々に至るまで
 その些細な変化に心惑わされる存在があることを。



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2006年01月09日

1がつ9にち

 目覚めて見る夢は
 途方もない まぼろし
 焔 触れ得ぬ泡沫

 終焉までの時を
 せめてもの 罪滅ぼしと

 己の身勝手と臆病さとで
 貴方を一人にした
 咎めもせずに 優しい貴方


 その鋭さは薄刃のナイフ
 繊細さは蜘蛛の糸のごと

 黒に魅入られ金色に堕ちた
 その幻惑から解かれて 今は

 焔 ひとつ
 悔恨と懺悔と共に在る


 違えた路の果て
 今際に触れ得たその切っ先を
 せめてもの名残と

 慈しむ
 その安らぎの為に

 最期の安息のために
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2006年01月08日

1がつ8にち

 舞台の上 演じる役者は
 己に浸り言葉に浸り
 相手と客を酔わせない

 道化は居らず
 やがて劇場は寂れ

 それでも己に酔う
 役者たちは気付かない




 思い出す
 失せた感情と感覚

 時の狭間に墜ちて
 紡がれぬまま消えた言葉

 願いがすべて叶うことはなく
 望むすべてが手に入ることはなく

 それでも日々のどこかに幸を見出し
 そうしてひとは生きてゆく


 刹那

 己の過ごした時間 そのほんの一部の間で
 ひとは生まれ 消えて

 尽きるがゆえに輝きを見出し
 懐いて 抱いて 眠る


 輪廻の輪から外れたはこの焔
 潰えるときは

 俺も 一人なのだろうか
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2006年01月07日

1がつ7にち

 上弦の月が落とす
 黒い焔の影 紅く

 忘れがたなき 悔恨と
 満たされ得ぬ 芯の熱

 嘲うように ただ
 冷たき星々の輝く


 焔の腕で抱き締める
 失いがたき その存在

 時は無情に ただ
 終焉を近づける


 いつか交わした約束を
 ひとつ ひとつ 思い返しながら

 抗うこともせず
 一人 静寂と対峙する


 終わりまでの時

 貴方に夢を
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2006年01月06日

1がつ6にち

 久遠に続く刹那を思う
 刹那に感じる久遠を思う

 その二つは限りなく近く また遠く
 等しくも裏表 表裏一体

 ――久遠
 繰り返されぬ刹那の永続

 ――刹那
 久遠に維持される不変


 共に在るこの存在に
 刹那の永遠を見
 また久遠への刹那を見る


 現と夢と
 そして幻


 俺の世界は此処にある
posted by アシアン at 22:12| Comment(0) | TrackBack(0) | 闇に啼く龍 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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