2005年10月31日

10がつ31にち

『現在を維持し続ける為には
 時と同じ早さで走り続けなければいけないのですよ
 後なんて振り向いてご覧なさい
 あっという間に現在に追い抜かされてしまいます

 けれど、走り続けるのは疲れますからね
 そんなときに手を引いてくれるのが
 傍らの存在で在れば良いのだと、私はそう思うのです
 …お互いに、ね』




 歩み続けることを忘れた
 いつしか 時さえも見えなくなって

 恐らく今も見えていないのだろう
 無にも等しい


 けれど

 絶やしたくないと願うものはある
 それが「現在」を維持し続けるということなら


 歩み続けよう

 例え一人でも


 このままで居る為に
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2005年10月30日

10がつ30にち

 交誼も 交流も絶やすつもりはなかった
 ただ 誰かと触れ合っていては
 手に入らぬひとを恋うただけ

 ただ それだけのこと


 幾度も鳴らされていた警鐘を
 己の過去に甘えて聞かぬ振りをして

 気付いた時には 既に遅く


 失って初めてわかるだなどと
 己が嫌う ありふれた恋歌のようで

 莫迦莫迦しいと己を厭う
 己と 己の心と 生き存えたこの身を


 唯一人が居ない世界は
 どこまでも彩り豊かで

 残された幻は
 どこまでも残酷


 後幾度傷付けば
 貴公の傍へ行けるのだろう
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2005年10月29日

10がつ29にち

 夢が幻 幻は夢

 現に触れ得る幻は
 幻の熱感じる現は
 現を感じ得る幻は
 幻に傷付けられる現は

 ゆめかうつつかまぼろしか

 幻は夢 夢は幻

 揺らぎ続けるこの炎の身は

 聞こえた声は
 響く言葉は

 この身に触れ得る貴方は
 貴方に触れ得るこの俺は

 夢か 現か 幻か


 それさえも もうわからない
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2005年10月28日

10がつ28にち

 離れても …見捨てられても
 いつかは この俺とのひとときを
 幸せだったと思ってくれるように

 幻に幻想を抱いて
 分からぬように 小さく笑う

 何も無くて良い

 捨てられなければ

 …否

 否――もう
 己が何を望んでいるかもわからない



 殺してくれれば楽だった
 どうして …引き留めた

 捨てていくのなら
 置いていくのなら

 こんな存在など
 はじめから放っておいてくれればいいのに


 嘆く意志を殺して
 貴方に微笑みかける
 大丈夫だから …傍に居るから
 望まれる時でも そうでない時も
 一人にはしない



 このまま終わらなければいい
 このまま絶えてしまえればいい


 永遠よりも永い 一瞬が欲しい
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2005年10月27日

10がつ27にち

 蠢くもの
  悲しきもの

 囁くもの
  嘆くもの

 恋しきもの
  手に入らぬもの

 愛おしきひと
  それは幻


 まほらばの名を冠した栖に
 幻の二人はたゆたう

 現に遺るは 魂と
 諦めきれぬ 意識の残滓


 悲しきもの
  残されたもの

 嘆くもの
  絶えられぬもの

 手に入らぬもの
  現身のひと

 それは幻
  泡沫の夢 
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2005年10月26日

10がつ26にち

 生きては いない
 死んだわけでもない
 死に損なって 留まって
 在るような 無いような
 そんな存在で漂う

 アナタが居なければ 俺は
 生きることも 死ぬことも出来ない


 守れなかった約束の数々
 為されなかった言葉の数々

 信じるとは もう言えないから


 狂って貴方を傷付ける前に
 壊れて貴方を苦しめる前に

 貴方を満たして
 そのまま殺されてしまいたい
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2005年10月25日

10がつ25にち

 衝動的な 発作的な感情は
 割合とすぐに溶けて失せる

 切なさも 寂しさも
 狂おしさも 悲しさも

 平たく言うと一過性のもので
 結局のところ 何かを生み出すわけではなく。


 夜が明けて
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2005年10月24日

10がつ24にち

 半ばの月 近付く夜
 手を引いて夜空の下 散策へ誘う
 夜は冷えるだろうと
 薄衣ひとつ その肩に纏わせ

 灯火の代わりに 己の焔
 墨色の焔は紫炎となって
 闇に紛れかける路を照らす


 木々の葉から垣間見える月に
 ささやき吹き抜ける涼風に
 冴えて響く虫の音に

 己の好む 綺麗だと思うものに
 逐一
 傍らのひとを導きながら


 夜露避けて 草葉の隠れ処
 探し当てて寝転がり
 夜空に浮く 月色の舟見やる

 背に帯びた刀はそのままに
 傍らに転がした月琴 爪弾き

 歌えぬ詩を 紡ぐ


 …夜が明けたら 何処へ行こう

 色満ちる昼の世界で
 美しいと思うものを 俺は知らない
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2005年10月23日

10がつ23にち

 眠って 目覚めて 瞳交わして
 微笑んで抱き締めて 存在に触れる

 飽くことなく


 返される 確かな反応
 喉に触れた唇 伝わり広がる熱
 悖り行く感覚

 零した息に紛れた 微かな音を
 気付かれぬように そっと飲み込んだ

 声など 音など 戻らなくていい
 それはこの人を傷付けるだけだから


 …惑うように
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2005年10月22日

10がつ22にち

 部屋に戻って その身横たえさせながら
 幻でも休息は必要なのだろうかと
 ふと疑問に思って小さく笑う

 構うものか

 幻でも 現身でも
 それが今の俺の居場所
 このひとの居る場所が 俺の世界


 指絡めるよに手繋ぎ
 子供のようだと 己と己の所作を笑いながら

 窓開けて 夜の冷気取り入れ
 粧い始めた山際の紅
 欠けゆく月に照らされるを観る

 その傍らにこの身添わせて
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2005年10月21日

10がつ21にち

 君に捧ぐ
 俺の知る限りの幸福を
 俺の知る限りの方法で

 知りうるすべての
 己の思う 幸せを
 それしか知らぬ幸せを このひとに
 このひとの幻に

 包み込むように
 守る ように

 貴方が消えずに済むように


 手伸ばして頬に触れ 指先に髪絡めて
 安らいで 眠って 休んでくれるまで
 繰り返し繰り返し
 慎ましやかな日常が叶うなら
 それが いつか終わりを告げるまで

 この焔は絶えることなくその傍らに


 落ちた刀を背に帯びて
 幻を抱き上げて帰路につく

 この刃は誰の為でもなく
 この焔を絶やすためのもの
 
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2005年10月20日

10がつ20にち

 心閉ざして 瞳を開けて
 せめてその姿を 記憶に焼き付ける

 伝えたい言葉も 想いも
 すべて飲み込んで

 触れて 感じて
 そして思考を止める


 悲しみならば 悲しみを
 喜びならば 喜びを

 言葉も 心も 感覚も
 貴方の思うままに 俺も思えるように
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2005年10月19日

10がつ19にち

 諦めきったように 微かに笑う姿を
 それでもどこか 綺麗だと思った

 渡した刃を 己の首筋に添えて
 殺しやしない 殺してたまるものかと 強く念(おも)う

 消えるのなら この俺を
 この刃滑らせるのなら この頸に


 繰り返し 繰り返し
 飽くこともなく 形を変え熱を変えて
 繰り返し 繰り返し
 このひとが好きだと言った その行為を


 首筋に刃添わせたまま
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2005年10月18日

10がつ18にち

 ゆるりと上げられた眸
 目が合った刹那 弾かれたように
 悔いるように伏せられた面

 追って指伸ばし 再度眸合わせて
 声無きままに小さく笑う


 ―良くできた幻だ
  ―そんなところまで 良く似ている


 唇寄せて 囁くように
 音にならぬ吐息を一つ


 伸ばした指先
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2005年10月17日

10がつ17にち

 動かぬ存在の目の前に佇み
 ただ ひたすらに覚醒を待つ


 ―おそらく
 目の前に居るこのひとは 幻
 俺の諦めの悪さが見せるマボロシ

 だが 構うものか

 幻でも良い
 貴方は此処に居る

 貴方が居る
 それゆえに俺は生きている
 絶えることなく 貴方を想い続ける

 沈黙の内
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2005年10月16日

10がつ16にち

 歩みを進めた景色の先
 小さく踞る命の片割れ
 半歩隔てて 動きを止める
 風と焔に遮られるように


 抱くように 抱かれるように
 包み込むよに 渦巻く風
 花弁のごとく 吹かれて散り
 千々に乱れて 舞う焔


 響かぬ声で 届かぬ声で
 小さく小さく 名を呼んだ


 幾度も己を嘲う
posted by アシアン at 23:45| Comment(2) | TrackBack(0) | 闇に啼く龍 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年10月15日

10がつ15にち

 開かぬ筈の眸が 色付いた世界を映し出す

 見ることはない 二度と見るまいと思っていた
 色彩に覆われ 陽光に照らされた世界

 その世界の中 俺だけに色が無い

 翳した己の白い指先 透かして通る陽射し 
 見上げた空の青さに 小さく笑った


 両の眸で見る景色の中に
 求めた影はなく

 それでも眸閉じれば触れる
 かけがえの無い存在

 悲しみに似た感覚
 吐息零すような 柔い風
 触れる熱と 微かに過ぎる声


 …喚んだ名は
posted by アシアン at 23:48| Comment(1) | TrackBack(0) | 闇に啼く龍 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年10月14日

10がつ14にち

 生きて いる
 未だ 生かされている

 それはおそらく 嘘ではない

 だが 触れるこの存在は
 果たして現のものだろうか


 現で無くとも良い

 ――否
 現で無ければ良いと言うべきか


 現はまほろば
 現は夢

 触れるこの存在が夢幻ならば
 その傍らこそが俺の生きる場所



 目覚めて 映る世界は
 そのすべてがまほろば

 過去も未来もない
 ただ 現という名の幻
posted by アシアン at 23:53| Comment(0) | TrackBack(0) | 闇に啼く龍 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年10月13日

10がつ13にち

 水面の奥底に沈み 絶えた筈の己が
 未だに生かされ続けて居ることを
 微かに残った感覚で知る

 生き延びて俺は何を為せばいい
 判らぬまま 意識は薄れゆく


 一度死んだ身だと思おう


 ――否
 確かに俺は絶えたのだ

 このひとを失うことで
 己の意志を 心を失くして

 …けれど
posted by アシアン at 23:59| Comment(1) | TrackBack(0) | 闇に啼く龍 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年10月12日

10がつ12にち

 何も聞こえず 何も見えない
 己自身の声さえも

 傍にあるは混沌の闇
 そして
 あのひととの想い出


 ここにきて漸く
 孤独を 悲しさを感じずに
 あのひとを想うことが出来るなんて

 なんて皮肉な



 闇に抱かれたまま
 意識は深淵へ

 音紡がぬ喉がその名を呼び
 光宿さぬ瞳が面影を宿す

 それは夢幻
 まほろばの見る夢

 どうか終わらぬままで
posted by アシアン at 23:58| Comment(4) | TrackBack(0) | 闇に啼く龍 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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